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学級単位でのお取り組み事例

3年生で導入後、4年生でも辞書引きを継続。
学級単位で辞書引きに取り組まれている事例

2012年5月取材

千葉県八千代市立村上小学校

●学校概要
千葉県八千代市(人口約18.9万人)の小学校。
各学年4~5学級(全体で28学級)で、学級人数は31~38人。
算数の研究指定校になっている。
●お取り組み学年
4年生(国語辞典)
●お取り組みの開始時期
2012年1月~
●お話を伺った先生
池畑 清美 先生(4年生のご担任)

お取り組みの概要

昨年度の3年生全員に辞書引きを導入。その後は各学級ごとに実践を進めている。年度が変わり、クラスは変わったが、池畑先生は、そのまま同じ学年を4年生の担任として受け持つことになったため、引き続き、辞書引きを実践している。
新しいクラスの子どもたちの中には、導入後の「辞書引き」への関わりが薄かったのか、ほとんど辞書が使われていない状態の子もいたため、新たに学級で辞書引きに取り組んでいる。辞書を身近に常備しておくところから始め、その後は、月に1回はふせんの枚数を申告させるなど、子どもたちの意欲が継続するよう努めている。


池畑 清美 先生

お取り組みのきっかけや問題意識

自身が、市教研国語部会の辞書引きについての研修会に参加したのがきっかけ。この研修会は、ベネッセコーポレーションの担当者が辞書引き学習について説明したもので、教師が子どもの立場となって辞書引きの授業を受けたが、非常に面白く、感銘を受けた。その後、ベネッセに学校への講師派遣を依頼し、体育館にて当時の3年生(現在の4年生)全員が参加して、辞書引きの一斉指導を受けた。導入後の取り組みは各担任に任されている。
辞書は、3年生になった段階で持たせており、それまでに教科書どおりの辞書指導は済ませていたが、体育館での辞書引き導入は、子どもたちの意欲をかき立てることになり、やる気と手ごたえを感じた。

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辞書活用のお取り組みの具体例


いろいろな袋に入った辞典

■辞書はとにかく「近く」に

辞書はケースから出し、マチのしっかりした手提げ袋に入れて、机の横に下げている。辞書を引くときに邪魔になるので、カバーをとる、というのもポイント。
とにかく、常に「近く」に置いておくことが大事で、後ろのロッカーでは少し遠い。勉強の時には、机の上に置いておくように、子どもたちには言っている。
なお、手提げ袋はぴったりした手作りのものではなく、携帯電話会社の紙袋などでも構わない。
辞書を常備するためのバッグを子どもたちに準備させ、環境を整えることからスタート。4月からの1か月で200枚ふせんの付いた子もいる。

■他教科でも隙間時間でも

子どもたちは、国語以外の教科でもよく辞書を引いている。たとえば、理科では「さくら」や「パンジー」、社会では「人口」などのことばを自主的に調べていた。昨年受け持っていた当時の3年生は、歴史上の人物をよく辞書で引いて楽しんでいた。また、子どもたちは、隙間時間によく辞書を読んでいる。

■辞書引きを継続させる工夫

ほとんどの子どもたちは、辞書引き学習にやる気を見せて取り組むが、やらせっぱなしにすると、そのうち意欲は低下していく。やる気をいかに継続させられるかが重要である。
自分のクラスでは、「辞書引き名人道場CD-ROM」(=ベネッセの小学辞典の採用サービス品)の「辞書引き名人への道」のところをプリントアウトして、教室に掲示している。
また、授業の冒頭5分くらいで、子どもたちに何語か提示し、辞書を引かせて意欲を喚起するような試みもしている。さらに、月に1回は、現在のふせんの枚数を申告させ、その多さや伸び率を競って、頑張った子どもにはシールをプレゼントするといったことを行っている。継続するには、教師が適切に認め、ほめるといった、子どもたちへの声掛けが大切である。


池畑先生の教室に掲示された、ふせんつき辞典の見本写真。いつも目に触れる場所に貼っておくことで、普段から子どもたちの意識を高めている。


池畑先生のクラスの子どもが使っている実際の辞書。ふせんで膨らみ、見本の写真に近づきつつある。


「辞書引き名人道場CD-ROM」の<辞書引き名人への道>より

■保護者の理解も大切

辞書購入に際しては、複数の見本を並べて紹介し、好きなものを購入してもらっている。幸い、保護者の理解も得られており、辞書やふせんの購入に対して否定的な意見は出なかった。
子どもたちが辞典を家に持ち帰って見せたり、話をしたりしているのか、家庭とやり取りをするカードの通信欄に「辞書引きをよく頑張っています」と書いてくださる保護者もいた。
次の保護者会では、ふせんを購入していただいたお礼を伝えようと思っている。
保護者から、辞書引きについてのどんな反応があるか楽しみである。

■ふせんが1000枚超えたら記念写真を

昨年受け持っていたクラス(当時の3年生)の児童は、全員まんべんなく熱心に取り組んだ。ふせんが1000枚を超えた子は辞書の写真をとって後ろに掲示し、年度末にプレゼントした。クラスの半分くらいの子どもが1000枚を超えた。今年受け持っている4年生でも実践する予定。

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辞書活用お取り組み後の成果

  • 子どもたちとの会話の中で、語彙が広がっていることを感じる。
  • 子どもたちの、辞書を引くスピードが速くなった。
  • 教師に聞く前に、自分で調べようという姿勢が見られるようになった。
  • 子どもの方から「先生、辞書引きやっていい?」という言葉が出る。
  • 国語の授業で意味調べをさせようとすると、「もう調べてあるよ」という言葉が返ってくることが増えた。

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課題や今後の展望

  • 興味を持てない子への対応をどうするか。同じように声がけしても、1カ月に200枚のふせんを貼る子もいれば、10枚しか貼れていない子もいる。そもそも学力が不足している子には「隙間時間」がない。低学年であれば、1時間辞書引きの時間をとる、といったこともできるが、学年が上がるにつれ、そういった時間の確保は難しくなる。
  • 4年生の担任なので、漢字辞典の辞書引きも導入してみたい。

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