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学級単位でのお取り組み事例

1年生より辞書引き学習をスタート。
さまざまな言語活動との総合的な効果で「学習力」を高めておられる事例

2013年7月取材

東京都品川区立小山台小学校

●お話を伺った先生
竹内 順子 先生(2年生担任)
●学校概要
東京都品川区(人口36.8万人)の小学校。
全校児童数は353名で、1学年2クラス。
校長 齋藤早苗
●お取り組み学年
2年(国語辞典)
●お取り組みの開始時期
2012年度~


竹内 順子 先生

お取り組みの概要

昨年度、1年生の時に辞書引き学習を導入。現在2年生でも継続的に取り組んでいる。
生活に根差した活動の中で国語の力を上げていきたいという思いがあり、さまざまな取り組みを行っていた。辞書引き学習もそれらの活動の一環と位置付けている。

お取り組みのきっかけや問題意識

辞書の引き方の導入に使用できるCD-ROM(「辞書引き名人道場」)を入手したことがきっかけとなり、担任している1年生に辞書引きの導入を行った。子どもたちが非常によくのって楽しんだため、継続的な活動として取り組むこととした。以前、3年生で国語辞典の引き方指導をしたときには、あまりのってこなかった。楽しんで食いついてくる、という意味では1年生での導入が望ましいと考える。
元々、国語学習を生活に根差した活動の中で行っていきたいという思いがあり、さまざまな取り組みをしていた。辞書引き学習も、その一環と捉えている。

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辞書活用のお取り組みの具体例

■1年生は、語数を競うことでモチベーションアップ

最初は、「辞書引きをやるよ~」と時間をとり、引けた語数を競うことでモチベーションを上げていった。「500語引いたよ!」「1000語引いたよ!」という節目を大切にしてほめていくことで、辞書引きに向かう姿勢ができていった。
必ずしも意味がわからなくてもよい、また、知っていることばを引いてみよう、としたことが楽しさにつながったようだ。

■2年生は、「どう辞書となかよくなるか?」を大切に活動

辞書に向かう姿勢が1年生でしっかり身についたため、語数競争はしなくても辞書引きへのモチベーションが保てるようになった。
わからない語があったら辞書を引く、という姿勢ができてきて、語義についてもきちんと読みこむようになってきた。
個人差はあるが、およそ1分以内で辞書が引けるので、おっくうがらずに引き、読む、ということが習慣化されてきたように思う。
1,2年で引き方に熟練しておけば、3年ではことばの意味や使い方といった、中身に向かう本質的な学習に集中できるのがよいと考えている。


漢字ノート

■意欲的な児童は、2年生で漢字辞典も使用

漢字学習のため、読み方や熟語を書く、「漢字ノート」を作っている。
そこに書く熟語を集めるには漢字辞典のほうが便利だと気付いた児童は、自ら漢字辞典を用意し、自然と引くようになってきた。

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国語についてのさまざまなお取り組み

指導要領の改訂に伴って、全教科で言語活動の時間が増えた。国語では、ブックトークやクイズづくりなどを行っている。
「ほたるの一生」という説明文の単元では、虫クイズを作る活動を行った。
説明文には、問いと答えがつきものなので、そこを読みとってクイズに仕立てていく。多読も重要と考えており、図書館司書の方と協力して、学校図書館だけでなく区の図書館からも借りて関連書を多数準備し、それらを読み込んだ上で、各自クイズ作りを行った。
また、街歩きをしたあと、何でもよいので、見つけたものを書く「見つけたよ」カードの活動等も非常に楽しんだようだ。


虫クイズ


見つけたよカード

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辞書活用お取り組み後の成果

具体的な学力変化は測れていないが、行動としての変化があったと感じている。他の活動との相乗効果もあって、「ことばが好き」「本が好き」「回文やなぞなぞなどのことば遊びが好き」という児童が増えた。
また、何より大切な成果だと考えているのは、自分の中での「学習力」(=自学の力)の高まりが見られること。わからないことがあったときに、すぐに人に頼るのではなく、まずは辞書に向かってみる、という姿勢ができてきたことを評価したい。

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課題や今後の展望

辞書を隣に置いておいて、わからないときに辞書に向かうという姿勢を継続し、児童全員が日常化していくことが大切と考えている。
学力面では、「活用」の力がやや弱いことが課題。その克服のための具体的な取り組みとして、辞書引きやその他の言語活動等を強化していきたい。

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